naja日記

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千羽鶴 

初めて読んだ川端康成は、「伊豆の踊り子」。
このときは、ふーん何か…あんまり面白くない?で終わった。
中学生くらいだったし。

その後読んだのは「雪国」
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
その美しい文章、どことなく漂うエロス
川端康成は大好きな作家のひとりになった。


そして最近また読み返したのが「千羽鶴」

この小説も、とにかく日本の美と、その当時の女性が描かれてる。
そして具体的にはっきりとは書かれていない、生々しい言葉じゃないのに官能的な表現。

今の女性と、この時代の女性の違いもあるだろうけど
女性を書かせたら川端康成はとっても上手だと思う。
若い女性をじーーーーっと見る癖があったとか。
この小説には女性の美しい面も書かれているけど、どろどろした面も、いやらしい面も書かれてる。
川端康成は女好きなのか、それとも嫌いなのかわからない。

主人公は菊治。

亡き父の愛人、ちか子は肩から胸にかけてあざがある。
なんだか汚いもののように書かれているが
そのざらざらとした感じが、また茶碗を連想させた。
現実的に一番いそうな女だと思った。


亡き父のもう一人の愛人 太田夫人と菊治が関係を持つシーンなんて、とっても官能的。
志野焼の名品にたとえられるような妖しい雰囲気の女性。

「その志野の白いうわぐすりは、ほのかな赤みをおびている。
しばらくながめているうちに、白のなかから赤が浮かんでくるようだ。そして口がこころもち薄茶色になっている

口紅が褪せたような色、紅ばらがかれしぼんだような色、そして、なにかについた血が古びたような色と思うと、菊治は胸があやしくなった。」

口の部分に口紅のような赤色をつけた志野焼の名品。
魔性の女性ってこういう女性?

でも、こんな女怖い…なんだかゾッとした。

太田夫人は自分の罪を嘆き自殺する。
芸術品って永遠に美しいもの。太田夫人も名品となった。

その後、菊治は太田夫人の娘、文子とも関係を持ってしまう。
文子は清らかで優しい、でもとっても芯の強い感じ。
2人とも太田夫人の死によって、縛られてしまった感がある。
死んだ人は自由に。残された人は不自由に。

その後、菊治は可憐で清楚な令嬢、ゆき子と結婚するが、
菊治はゆき子と肉体の結びつきを持つことができない。
なんでだろう?なんでかなー?
罪の意識か?この女性だけが、どろどろとした「黒織部」の因縁と関係ないところにいる。
ゆき子が救いなのか?


続編「波千鳥」で、文子が、父親の故郷を訪ねるシーンで
別府、九重、久住、竹田などが出てくるのだけど、
とてもきれいな文章で紹介されている。文子はここから菊治になんども手紙を出す。


IMG_1199小


川端康成は秋と翌年の初夏の2度、九重を訪れているらしいが、
取材メモを盗難され小説は未完に終わっている。
高原に住みついた文子のところへ菊治がたずねてくるはずだった…はず。


初夏の、あの美しい九重、飯田高原をいったいどう書いたのだろう。
その後どうなったんだろう…読みたかった…。


IMG_1198小

川端康成文学碑。
九重にあるよ。




筌の口温泉に宿泊した「御宿小野屋」もあったが廃業した。行きたかったようぅ。





そして、やっぱーこれよね♪
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